Meiji.net

2018.09.05

ゲームで一人勝ちは楽しくないことを、実は、みんな知っている

  • Share

人類の究極の目的は楽しむこと

 なぜ、人類はゲームを始めたか。それは、ゲームが快楽や喜び、心地良さをもたらしてくれるからです。政治も経済も文化もゲームから派生し、発展したと述べましたが、人類の諸活動の根源がゲームであれば、私たちは、やはり、なににおいても心地良さを求めているのであり、それが究極の目的であるといえます。なぜ、私たちは平和を求めるのかといえば、それが心地良いからです。ところが、その目的のために発展したはずの、例えば経済が、格差をつくり出しています。貧しい者には当然、心地良さはありません。ところが、心地良さを目指して裕福になった者たちも、裕福だけでは充足感がなく、楽しくないことを感じ始めています。お金が目的になってしまい、なにが楽しさなのか見えなくなっていたといえます。やはり、ゲームは、勝ち過ぎては良くないのです。人類には、一人勝ちを許さず、世界のバランスを崩さないという知恵が働いていたのです。そのためには、どういうゲームの方法が必要なのか、ということがとても重要です。人類が無意識に行ってきた仕組みを、現代の私たちはあらためて捉えなおさなくてはいけません。「ゲーム学」の使命は、そこに集約されると考えています。

>>英語版はこちら(English)

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

  • Share

あわせて読みたい