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自分の「好き」を見つければ、遠い道のりも楽しめる
2026.06.17

学びを加速させるアドバイス自分の「好き」を見つければ、遠い道のりも楽しめる

リレーコラム
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教授陣によるリレーコラム/学びを加速させるアドバイス【30】

大学で日本語教育に携わる中で、留学生をはじめとする多くの日本語学習者と接してきましたが、日本語を学ぼうと思ったきっかけを聞くと、「自分の好きなこと」を入口とする人がほとんどでした。例えば、たまたま聞いた日本の楽曲や、ネットで目にした日本のアイドルが好きになって、その言葉を理解したくて勉強し始めたという人や、子どもの頃から日本の漫画が大好きで、吹き出しの外に書かれた擬音語の文字を読みたくて日本語を勉強し始めたという人もいます。

以前、授業で受け持ったフランス人留学生に日本語でインタビューをする機会がありました。彼の授業における日本語の発話は、ゆっくり訥々と話すレベルでした。インタビューで留学のきっかけを聞くと「アニメのONE PIECEをリアルタイムで観たかったからです」と言うので、「ONE PIECEってどんな話なんですか?」と尋ねると、ぱっと顔が明るくなり、自信に溢れた日本語で滔々とそのストーリーを話し始めたのです。それは授業の時とはまるで違う様子でした。「人は、好きなことに対してはこれだけ一生懸命になり、そしてこれだけのことが達成できるようになるのか」と感動したことを覚えています。

海外へ行くと、日本の漫画やアニメのコスプレを楽しんでいる人は大勢いますが、その中で日本語を勉強しているという人は実はそれほど多くありません。そう考えると、海外で日本語を学び始めたり、日本に留学したりする人たちはとても貴重な存在と言えます。そうした人たちが日本との架け橋となってくれることは、日本に住む私たちにとって非常にありがたいことです。個人的な「好き」が、困難な外国語学習の継続に繋がり、遠いところまで進む原動力にもなるのです。

これまでの事例は日本語を学んでいる人たちのものですが、私たちも学びのスタートとして「自分は何が好きなのか」を自覚して取り組むことが大切なのではないでしょうか。もし、課題として学ばなければいけないことがあるのであれば、その中で少しでも「面白い、これは好きだな」と感じられることを見つけ、それを糸口として勉強を続けることをおすすめします。何かを学ぶためには継続が大切ですが、忙しい毎日の中でも「好き」を入口にすると意外と続けることができるものです。そして、自分でも気がつかないうちに、案外遠いところまで辿り着けるかもしれません。

また、テクノロジーの発達により「どう学ぶか」の選択肢も増えました。以前は外国語を学ぶために教室へ通う必要がありましたが、今はインターネット上のコンテンツが充実し、AIも気軽に使えるため、好きなものを入口にしていくらでも学ぶことができます。もちろん、教室のような場所で学ぶことの効果も多くありますが、それだけが正解というわけではありません。ストレスなく「好き」を突き詰められる自分だけの環境を模索することも、学びの継続、そして、新たな世界への旅に繋がるのではないでしょうか。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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