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Nothing ventured, nothing gained.
2026.05.13

座右の銘、私のモットーNothing ventured, nothing gained.

リレーコラム
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教授陣によるリレーコラム/座右の銘、私のモットー【12】

私のモットーは「Nothing ventured, nothing gained. 」。日本語の故事成語では「虎穴に入らずんば、虎子を得ず」となるでしょうか。私は英語のシンプルで軽やかな響きのほうが気に入っています。

きっかけは、IT技術者・及川卓也さんを取り上げたNHKの番組の副題でした。及川さんは「同じリスクがあるなら、やりたいほうを選んで大きなものを得よう」と語っており、その言葉が今も心に残っています。

私はそれをもう少し砕いて、「選択肢が二つあるなら、むしろ面倒くさそうな方を選んでみよう」というニュアンスで受け止めています。

最近、世の中では「コスパ」や「タイパ」といった言葉をよく聞くようになりました。確実なことや効率的なことが重要視されることが多いようですが、ときには打算的にならず、やりたいことに挑んでみてもよいと思っています。

私の研究でも実験の際には平均値をとって比較しますが、人間で考えると、全てが平均値の人は存在しません。「コスパ」や「タイパ」のような言葉は、それこそ平均値に合わせた言葉です。しかし、平均的な方法がその人個人にとって最適であるかどうかは、実際にやってみるまで誰にもわかりません。現実には、同じインプットでもその人ごとに感じられるものは異なるはずです。

もちろん、打算的に考えた方がよい場面も多くあるでしょう。しかし、それが必要ない場面では、打算的に考えすぎると、何も取り組めなくなる場面も多いように思います。何事も最初の一歩は重いのです。

人はつい、成功か失敗か、得か損か、白か黒か、というような2値(デジタル)で判断しがちです。しかし、私たちはアナログの世界に生きていて、物事にはグラデーションがあります。尻込みせず、まずはやってみることで得られるものは案外多いのではないかと思います。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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