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考え方や行動の基盤となる“軸”を持とう
2021.11.25

人生で影響を受けた人物考え方や行動の基盤となる“軸”を持とう

リレーコラム
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教授陣によるリレーコラム/人生で影響を受けた人物【47】

まずは「沈黙の春」で知られる、アメリカの生物学者レイチェル・カーソン。中でも、大学院生の時に読んだ「センス・オブ・ワンダー」という本にはすごく影響を受けました。

彼女が甥のロジャーと一緒に自然に触れる物語なのですが、知識よりも“感じる”ことの重要性を説いています。

子どもには少なくとも1人、自然の美しさや神秘に対しともに感動してくれる大人が必要なんだとも書いてあり、私が学生に対してその役割を果たすつもりで仕事をしています。

また、生きものとは別に私のもう一つの“軸”になっているのが、自分もその一人である“市民”、“市民のために”という意識。ここでいう“市民”とは、近代社会を構成する、なすべきことをなす人々という意味です。

最初に市民について学んだのは、政治学者の藤田省三先生から。国立市の高校生だったときに、公民館で開かれていた先生の講座を大人に混ざって受講していました。その後は、生物学を通して市民に役立つことを意識してきました。

それから、板橋区・高島平の南側の自然を守る運動を通して出会った山下洵子さん。彼女との出会いで改めて市民として何かにかかわることの方法を知りました。40年来のお付き合いで、姉のような存在です。

明治大学に来る前は都庁に勤めていましたが、都民と呼んではいるものの、なすべきことをしている市民のために仕事をしてきました。高校生のときからそういう意識がずっとあるのです。

現在は大きな河川の河原や丘陵地の里山の生きものとその生息地を守り、再生する活動に、市民とともに取り組んでいます。

まさに生きものと市民の2つが私の交差した“軸”になっているのです。

皆さんもぜひ、自分の中に生きているうえではずすことのできない“軸”を作ってみてはいかがでしょうか。もっと自分らしく、ユニークに行動できるようになりますよ。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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