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人の意思決定のプロセスを観察し、発想に活かそう

藤井 陽一朗 藤井 陽一朗 明治大学 商学部 准教授

いまやクリエイティブな職種に留まらず、多くのビジネスパーソンにとって発想力や企画力は必須のスキル。ライバルを一歩リードするのに役立つヒントを、知の先達である明治大学・教授陣の言葉から探ります。

教授陣によるリレーコラム/アイデアの泉【45】

私の研究は意思決定論という分野なのですが、望ましい将来のために「あらかじめどういう行動を取るべきか」「どういう風に準備すべきか」と考えることをしていて、保険や年金などは一つの応用例になります。

研究分野的には心理学、経済学、商学など、たくさんの考え方が入って分析が進められていますが、すべての源は人々の行動にあります。

例えば、家を買うときに、マンションにするのか、戸建てにするのかといった、一度決めてしまうとなかなか取り返しのつかない大きな選択から、「今日のお昼ご飯はどこのレストランに入って何を食べよう」というものまで、日々私たちは大小かなり幅広く選択しながら生活をしているのです。

そのため私は、自分自身や人々の行動を比較・観察しながら、「なぜこのような選択をするのか?」という素朴な疑問を持つように心がけています。

他の人が自分とは異なる判断をした材料は何だったのかと考えてみることで、新しい発想などが生まれてくる可能性もあるからです。

読者の皆さんの会社の中には、一見変わった行動を取っていたり、自分の認識と異なる行動基準で動いていたりするのに、しっかり成果を出しているというような人はいませんか。

そうした人たちの行動のもとが何なのかを考えてみることで、自分の仕事の参考になるようなことが見つかるかもしれませんよ。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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