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マルクスの視点に立って現代社会を見つめ直そう

大黒 岳彦 大黒 岳彦 明治大学 情報コミュニケーション学部 教授

ときに人生の指針となり、仕事のヒントとなり、コミュニケーションツールの一助となる「読書」。幅広い読書遍歴を誇る明治大学の教授陣が、これからの社会を担うビジネスパーソンに向けて選りすぐりの一冊をご紹介。

教授陣によるリレーコラム/40歳までに読んでおきたい本【29】

カール・マルクス『資本論 マルクス=エンゲルス全集版』(岡崎次郎訳・国民文庫・1972年〈全9冊〉)

『資本論』は、近代資本主義社会の経済的運動法則を徹底的に解明し、世界史に大きな影響を与えたマルクスの不朽の名著です。

私の師匠は廣松渉という新左翼系のマルクス主義哲学者でしたが、私自身はいわゆる政治的な活動家というわけではありません。

ただ、不勉強で不見識な人が“マルクスはもう終わった”となどと発言するのを聞くと、まともに読んだこともないくせに知った風な口をきくな!と半畳を入れたくなります。

確かにソ連型社会主義や中国型社会主義は破綻していると思いますが、それとマルクスの原理的な主張は別です。すべてを一緒くたにして否定するのは学者のとる態度ではないと思います。

ビットコインを研究していても“これはマルクスだな”と思うことがありますが、『資本論』を読んでいるとハッと気づくことがたくさんあります。読むとインスパイアされる本です。

依然として資本主義は続いており、『資本論』が解明したメカニズムはいまなお健在です。時代が変わっても古典の地位を失わない本書を通して、新たな知見が養われることを期待します。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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