
2022.06.28
明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト
めまぐるしく変化する世界情勢において、企業や組織が生き残っていくために、どんな人材が求められているのか。
さまざまな分野に精通した明治大学の教授陣が考える、これからの日本を担うリーダーに必要な力とは。
リーダーにとって大切なのは、いかなる状況でも皆が幸せになってより良い方向に進める、合理的でクリエイティブな力だと思います。合理的というのは、例えばスピッツやダックスフントなどを「犬」という概念で表せるように、複数のものをひとつの概念で説明できるようになることです。
一般生活に置き換えると、組織を引っ張っていこうというときに、いろいろな意見がある中で、こういう考え方をすれば皆が納得する形に持っていける、と提案できる力です。これが合理的でクリエイティブなことであり、言い換えると「デモクラシー」になります。多数決ではないのです。多数の人が少数を圧迫して物事を決定するようなことがあってはいけません。ディスカッションを行って、皆が望む方向へ導いていくのがデモクラシーであり、まとめていくのがリーダーです。
一方で、リーダーでも矛盾することを言い出したときは注意が必要です。例えばこちらの勢力の人はこう言っているからと、矛盾した概念を一緒にしようとすると危険が生じます。皆が納得したことではないので、より激しい闘争を招きかねず、不誠実な姿勢と言えるでしょう。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。