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知的財産である日本の農産品には大きなビジネスチャンスがある

高倉 成男 いま、地理的表示の認定を受けている農産品は、農家の方々が自分たちの地域の環境を活かし、より良い農作物を作ろうと長い年月をかけて試行錯誤し、手間を惜しまず育て、ようやく他にはない品質を生み出したものです。この知恵と工夫の結果は、まさに知的財産であり、それを守るのが地理的表示なのです。

 しかし、品種改良などを国主導で行い、新しい品種ができれば誰もが自由に使えるなど、日本の農業は良い意味で共有財産という意識が根付いており、農家の人たちは自分たちの工夫が知的財産権につながるものだと気づいていていないケースが多いのです。今後は、こうした工夫を知的財産として地域の農家で共有するとともに、それを消費者のニーズに応えるビジネスとして育てていくことが重要です。そのためには、高品質の農産品をブランド化するのに加え、他業界からの知恵を結集し、加工や販売、観光業などとも協働し、六次産業化を推進していくことも必要です。

 その意味で、いま大学で学んでいる若い人たちには、自分の専門分野だけでなく、他学部の人たちと積極的に交流し、広い視野と高いアンテナを養うことが重要だと思っています。農学部の学生には法律やビジネスも学んでほしいですし、商学部の学生には農家にもインターンシップにいってほしいと思います。こうした体験の中から、日本の農業は衰退産業などではなく、世界から注目される成長産業になりうるチャンスがあることを見つけ、その発想を積極的に実践する行動力を身につけてほしいと思っています。

 かつて、日本の工業製品は世界を席巻する勢いがありました。が、いまは価格競争で勝つことができず、他社製品と異なるプラスアルファをもった製品を開発することや、特許製品、また、著作権のコンテンツが日本の特技となっています。物作りに加えて知恵作りをセットしなければ、日本は国際競争で勝てません。農業も同じです。日本ならではの品質を誇る農産品を開発し、ビジネス化していくときに、地理的表示保護制度は大きな力となっていくでしょう。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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