2024.03.21
- 2023年3月22日
- IT・科学
AIを使えばだれでも名画を生み出せる?
水野 真紀子 明治大学 理工学部 専任講師
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近年AIを使って画像を生成することが現実的で身近な手段となりました。AIで生成された画像が作品としてオークションで数千万円の値をつけられたり、絵画コンクールで優勝することもあり、関心を集めています。
AIが生成した画像が高い評価を受ける
コンピュータのディープラーニングが大きく進歩したことにより、AIは今アートの世界にも進出しています。
2018年、AIによって生成された作品がオークションで約4900万円で落札されたことは大きな話題になりました。
2022年には、AIを使った作品がアート・コンペで優勝したというニュースがありました。
コンペの審査員は、審査時点ではAIが生成した作品ということは知らされていなかったものの、そうだと分かったとしても作品そのものの芸術性を認めた審査結果に変更はないと話しています。つまり、AIの作った画像はアート作品として価値を持つレベルになっているのです。
AIによる画像生成プログラムには、例えば「DALL-E(ダリ)」というオープンソースなど、今ではだれでも使うことができます。
使い方は簡単で、自分のイメージをテキストで入力すれば、AIがその条件に適した画像をインターネット上から取り込み、それらを素材として組み合わせて画像を生成してくれるのです。
例えば「女の子が踊っている」「明るい色調」「印象派風」と入力すると、AIはその条件に適したいくつもの画像を生成します。
ユーザーはAIが多数生成した画像のなかから、自分のイメージに適したものを選択したり、あるいは自分のイメージにより合うようにさらにテキストを追加して画像を生成し直すこともできます。
このAIを使えば、絵を描く技術がない人も自分のイメージ通りの絵を手にすることができるわけです。
このように作られた作品が、オークションで高額で取引されたりコンペで優勝したりするということは、すなわち、だれでも評価されるアート作品を作り出すその可能性があるということになります。しかし、これには賛否両論が起こっています。