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人はアリに学ぶと、理想的な社会をつくれる!?

西森 拓 西森 拓 明治大学 研究・知財戦略機構 特任教授

アリに学ぶ持続力と安定性

 アリの行動から、私たちは多くのことを学ぶことができます。例えば、個々の個性、つまり、多様性を活かして、より効率よく様々な作業を稼働させる社会の仕組み。

 また、どこかの部門でなんらかのトラブルが起きても、そのタスクに関する怠け者=待機組や普段は他のタスクに従事している者がすぐに補償し、社会全体にトラブルの影響を及ぼさない安定したアリ社会の仕組みはまさに持続力と安定性にあふれており、それは、いま、人間社会において構築すべきシステムとして注目されています。

 いま、日本では近未来社会の形として、ソサエティ5.0が目指されています。そのためには、集積されたビッグデータを、例えば富岳のようなスーパーコンピュータで集中管理し、ICTやIoTを駆使して個々の機械や機能を効率よく稼働させる方法もあると思います。

 一方で、アリ社会のように、自律的に働く個が集まって様々なタスクへの負荷をしなやかに分散処理する仕組みを解き明かすことができれば、個々の機器に単純な機能や情報処理能力をもたせるだけで、社会全体としてスムーズで効率的な稼働を可能にすることができるかもしれません。

 すると、大規模なインフラ整備などを行う必要もなく、未来社会の実現が近づくかもしれないのです。

 私たちの生き方も、アリに学ぶことができます。

 例えば、ひとつの目標に向けて足並みを揃えるのが日本人の特性のひとつとされ、高度経済成長期などは、その特性が活かされました。

 しかし、人口減少を迎え、むしろ、安定成長や、ひとりひとりの豊かさや幸せが求められる社会では、みんなが同じやり方で一斉に取りかかるようなことは、逆に、非効率ではないでしょうか。

 適材適所で働き、働いたら休み、休んでいてもなにかあれば手を貸し弱点をカバーし合い、全体として安定性と効率性を持続していけるような社会。

 それを、人々それぞれの自己判断において行える社会になれば、それは理想的かもしれません。そのヒントが、アリさん–ここはあえて敬称で呼びました–にあるのです。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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