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人材教育の最前線!Twitter Japanと明治大学の取り組みからみえてきた成果とは?

Meiji.net編集部 Meiji.net編集部 

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 2021年4月から約半年にわたり、Twitter Japan株式会社(以下、Twitter Japan)とPBLに取り組みました。参加した学生の満足度は96%と高い評価を獲得し、その後の大学生活にも好影響がありました。一方のTwitter Japanは新卒採用をしていません。この状況であっても、大学と企業が連携して教育活動に取り組む意義は一体どこにあるのでしょうか。
 日本経済新聞社イベント・企画ユニット主催(共催:明治大学)で開催されたシンポジウム「企業と大学で取り組む教育活動」をレポートします。

 ※PBLとは Project Based Learning の略で、企業と学校が連携する教育の1つで、企業の課題解決や商品開発などに学生たちが取り組みます。

企業と大学双方にメリットのある取り組み

 産学連携教育の1つにインターンシップがあります。最近は本来の目的である就業体験とは違う実態になっているようです。

 日本経済新聞社グループで就職・キャリア事業を手掛ける日経HRの調査によると、昨年、内定者に実施したアンケートの結果、インターンシップの日数は「1日」が最も多く、1週間以内で終了する短期のものがほぼ全てを占めています。

 「1カ月以上」という長期のインターンシップは1%にも満たず、明治大学とTwitter Japan社によるPBLのように、3〜4カ月にわたる取り組みは非常に珍しいと言えます。

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(出典:日経HR「2021年内定者調査」、n=233社)

 さらに「参加したインターンシップの内容」については「グループワーク」が最多で、「座談会」や「講義」などが続き、「職場での就業体験」はわずか7%ほどしかありませんでした。

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(出典:日経HR「2021年内定者調査」、n=233社)

 一方、インターンシップに参加した学生には「早期選考の案内」や「選考の一部を免除」などさまざまな優遇がある実態もアンケートから明らかになりました。

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(出典:日経HR「2021年内定者調査」、n=379社)

 この結果から、インターンシップを通じて学生と接点を持ち、採用につなげようとしている企業が多いというのが実態として見えてきます。

 これはインターンシップを担うのは、通常人事部であることが理由の1つです。その点、今回のTwitter JapanとのPBLは明治大学OBでGlobal Content Sales Managerの方とのつながりから実現し、学生の成長を促すきっかけとなりました。
 「学年や学部、通学するキャンパスが異なる学生たちでチームを結成しました。異質な集団でプロジェクトを推進するには多様な個性を尊重しつつ、協働することが求められます。その意味でも大きな意義があった。」
 就職キャリア支援センター長 副学長(学務担当) 農学部教授 浜本 牧子は取り組みを振り返りました。

オンラインシンポジウム「企業と大学で取り組む教育活動」

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2022年3月17日(木)オンラインシンポジウム「企業と大学で取り組む教育活動」
(主催:日本経済新聞社イベント・企画ユニット/共催:明治大学)

 双方にメリットがあったといえるPBLの成果から見えてきた「大学と企業が連携して取り組む人材育成のあり方について」議論するシンポジウムを開催しました。
 
 冒頭あいさつでは学長大六野耕作が「明治大学がPBLを強力に推進する理由」(※クリックで詳細ページへ)を語りました。続いて、Twitter Japan社とのPBLに参加した学生からプレゼンテーション(※クリックでMEIJINOWへ)があり、参加したことで得た学びを発表しました。

 最後に、Twitter Japan社長、担当した社員と本学キャリアセンター教職員とのパネルディスカッションで「大学と企業が連携して取り組む人材育成のあり方について」議論しました。


<パネリスト>
Twitter Japan 代表取締役社長 永妻 玲子氏
Twitter Japan Global Content Sales Manager 国定 希生氏
明治大学 就職キャリア支援センター長 副学長(学務担当) 農学部教授 浜本 牧子
明治大学 就職キャリア支援センター職員 倉吉 俊一郎
<モデレーター>
日経HR 渡辺 茂晃氏

※所属・肩書等は開催当時のものです


新卒採用をほぼ実施していないTwitterが大学と取り組む意義

■日経HR渡辺茂晃氏(以下、日経HR渡辺氏)
 大学と企業の接点は採用関連が一般的です。新卒採用をほとんど実施していないTwitter Japanが、明治大学とのPBLに協力されたのはどうしてだったのでしょうか。

■Twitter Japan 代表取締役社長 永妻 玲子氏(以下、Twitter Japan永妻氏)
 PBLを通じ、学生と開かれた会話の場を持ち、社会や仕事について共に考える今回の機会は、私どもにとっても非常に重要なものでした。当社は「開かれた会話」 、すなわち「パブリックカンバセーション」を提供する唯一無二のプラットホームです。企業と大学が連携し、さまざまな情報交換や交流の場を持つのは有意義であったと思います。

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「Twitterにとって日本は世界で2番目に大きな市場です。過去には日本の利用者を参考にして、新機能を開発した経緯もあります。」と永妻氏

■日経HR渡辺氏
 国定さんのように人事担当者ではなく、顧客パートナー支援担当者がPBLという教育の機会に参加することには、どのような意義があったとお考えですか。

■Twitter Japan永妻氏
 顧客目線で考えるという点において、デジタルネーティブ世代と言われる学生たちが何を求め、どのような点に共感するのかなどのインサイトを学ぶ貴重な機会になったと思います。

■Twitter Japan Global Content Sales Manager 国定 希生氏(以下、TwitterJapan国定氏)
 非常に貴重な機会になったのは間違いありません。学生の企画書は新鮮で、多くの気づきと学びをいただきました。
 学生がチームで協働し、良いものを作り出そうとする姿勢に感銘を受けました。私自身も世界中のメンバーと一緒に仕事をしています。相手をリスペクトする心、共感する心が大切なことを改めて気づかせてもらいました。

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「フラットな環境でこそ良いアイデアが生まれてくることを体感しているので、学生と同じ目線になるよう意識しました」と振り返る国定氏

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