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離散幾何解析、ネットワーク研究の広がり

砂田利一教授 私自身が現在中心テーマにしているのは、離散幾何解析学という新しい分野であり、これは20世紀の後半から盛んに研究されるようになった大域解析のアイディアを離散的対象に適用するものである。すなわち、一見するとバラバラに存在しているかのように見える対象を、幾何学や解析学、さらには確率論や数論のアイディアを使って研究するものである。
ではこのような数学の研究がどのような現実と関連を持っているのだろうか。例えばネットワーク、代表的なのはインターネットに代表される情報通信ネットワークだが、社会や人体でさまざまなネットワークが形成されている。商取引、物流、神経回路網、いずれもネットワークと呼べるものである。私自身の関心は結晶構造のデザインにある。原子どうしが何らかの力で結ばれて結晶ができるのだが、まさに3次元のネットワークといえる。こうしたさまざまな対象に対して統一的な手法で対応できるところが数理科学の持っている力である。
数理科学の強みは、一見まったくことなる領域で始まった研究に幅広い応用対象があるという意味での汎用性を持っていることである。概して質の高い数学の研究は寿命が長く、2000年以上の歴史を持つ素数の研究がセキュリティに応用されたり、線形代数の定理が検索エンジンや産業連関に応用されているように、当初は適用する対象が見あたらなくても、いつか優れた問題解決の手段になる。そんな期待を持ちながら、数理科学の新しい姿を学生たちに、社会に提示していきたい。

※掲載内容は2013年6月時点の情報です。
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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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