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明治大学の教養 Vol.21

「レアリストの幻想」とケベック

 私は学部・大学院を通して仏文学を専攻し、レアリスムを問い直す「ヌーボー・ロマン」に興味を持った。そこから「人間は現実を加工してしか捉えることができないのに、しばしばそれが『現実』自体のふりをする」という考えに至り、それを「レアリストの幻想」と名付けた。以来、人間が現実に対して抱くイメージを様々な文化表象を通して研究するようになった。その後、ケベックに興味を持ち、モンレアルに2年間滞在して、ケベック・アイデンティティ形成について研究を始めた。幸い帰国後に、ケベックについての著作活動で、いくつかの賞をいただいた。ケベックは地理的にも心理的にも日本から遠いが、1960年代に急激な近代化を遂げて、オリンピック、万博を開催した点など意外に類似点も多い。レアリスムが育たなかったことも共通している。文化的創造力の源泉である現実とイメージとの葛藤が両者ともに見られる点がおもしろい。(談)

掲載内容は2012年2月時点の情報です。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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