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明治大学の教養 Vol.16

パウル・ツェランから越境文学の深淵へ

 ゲーテを研究するために留学したドイツで、ユダヤ系詩人パウル・ツェランを知った。ツェランに惹かれたのは、非常に難解で痛々しく、読者を拒んでいるような詩であるが、その壁を越えた後に驚くほど豊穣で繊細な世界が広がるからだ。そこには読み解く喜びがあった。ツェランを深く知るため、彼の足跡のある12カ国60都市を訪れた。存命していた友人、知人にインタビューもした。その成果が『パウル・ツェランへの旅』となった。2冊目はツェランの人生そのものを辿り、3冊目の『パウル・ツェランとユダヤの傷』では、詩に織り込まれた膨大な引用を読み解くことで、「ユダヤ精神」というものに迫ることができた。しかしツェランの世界をさらに理解するためには、彼の詩の世界を形成しているドイツ・ユダヤ文学、更に、越境文学にまで視野を広げていかなければならない。今後はその宇宙のように広い世界に挑んでいくつもりである。(談)

掲載内容は2011年9月時点の情報です。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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