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明治大学の教養 Vol.10

非暴力の思想を後の世代に委託する

 E・M・フォースターの『インドへの道』を卒論のテーマにしたことが、近現代英文学を専攻するきっかけとなった。1992年に本学で在外研究の機会があり、欧州各地を訪れた。ベルギーでは有名な罌粟の群生を見ようとイーペルという町を訪れたが、ようやく見つけた罌粟の花が風で散った後に、第一次世界大戦の戦没者の夥しい数の墓標を視た。イーペルは激戦地だったのだ。この戦争では、多くの若者や詩人、文学者が軍隊に志願して命を失っていった。彼らや遺族の書いた詩や小説を読むにつれ、なぜ、彼らが自ら進んで戦場に身を投じていったのかという疑問を抱き、第一次世界大戦前後の英米文学が生涯の研究テーマになった。どのようにしたら人類が非暴力の思想を獲得し、受け継いでいけるのか。それを戦没者たちからの「委託」として受け継ぎ、自分たちより後の若い世代に伝えていきたい。(談)

掲載内容は2011年3月時点の情報です。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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