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明治大学の教養 Vol.6

日本の近代化と物語の力

 人間にとって言葉とは何かを研究してみたいと思ったのは、言葉に障害を持つ子供たちの教育に携わったことがきっかけだった。本来、言葉を持つはずの人間が言葉を持たないというのはどういうことなのか、もう一度大学に戻って考えてみたくなったのである。当時、ソシュールの言語論が主流になっていたこともあり、強い影響を受け、日本の近代社会の中で文学が人を動かしていく「物語の力」とは何かを研究するようになった。その視点から夏目漱石の作品を分析し、人間は他者の言葉に突き動かされていく存在ではないのかという解釈を導き出した。そして現在は作品の解釈だけではなく、日本の近代社会の中で、書物がどのように扱われ読まれてきたのか、いわば読書論ともいうべきテーマが研究の対象になり始めた。幅広く社会全体を捉える研究をしてみたくなったのである。(談)

掲載内容は2010年11月時点の情報です。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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