明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

明治大学の教養 Vol.2

プルーストに教えられた価値観

 プルーストと出会わなければ、私の内的人生は全く違ったものになっていただろう。自分が好きなものを見つけるための「眼」「耳」そして「魂」を教えてくれた。作品にその方法がはっきりと書かれているわけではないが、とにかく、事物をみる時に一般的な見方をしなくなった。事物を観察する力が並外れてある作家なので、私も影響を受けて、独自の価値観が生まれてきたのではないかと思う。好きなものがあったらとことん突き詰めることも教えられた。翻訳の仕事の上でも、回数を重ねれば重ねるほど、フランス語の辞書を調べるようになってきている。それはより精度の高い文章をつくるためだ。そしてどんな仕事でも面白がって楽しんでやること。これまで訳してきた仕事はすべてそう。自分で面白いなと思って、とことん楽しんでやっている。その結果が、編集者や読者にも伝わるのかもしれない。(談)

掲載内容は2010年7月時点の情報です。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

特集の関連記事

新着記事

2023.03.23

子どもを持って実感した、生き方を選べる大切さ

2023.03.22

仮想実験室で前人未到の発見へ

2023.03.22

AIを使えばだれでも名画を生み出せる?

2023.03.17

AIが広げた世界の法律はどこへいく?

2023.03.16

外国のある裁判で深まった、税や制度への探究心

人気記事ランキング

1

2023.03.22

AIを使えばだれでも名画を生み出せる?

2

2019.07.17

フランス人はなぜデモを続けるのか

3

2020.04.01

歴史を紐解くと見えてくる、台湾の親日の複雑な思い

4

2021.11.10

国宝の金印が偽物、ではないことがわかった

5

2017.10.04

精神鑑定は犯人救済のために行うのではない

連載記事