明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

#3 フェイクニュースの拡散は防げる?

明治大学 情報コミュニケーション学部 准教授 清原 聖子

フェイクニュースの特徴を捉え、冷静に対応することが重要

フェイクニュースの一番の問題は、ソーシャルメディアによって誰もが情報発信できることによって、それが誤った情報でも素早く拡散することです。それではどのようなフェイクニュースが拡散しやすいのでしょうか。

清原ゼミでは授業の一環として、ヤフーニュースと朝日新聞社の記者とともにフェイクニュースを見分ける目を養うための取り組みをしてきました。そこでゼミの学生が調べたフェイクニュースの特徴から、まず、発信者が実名か匿名かさらに一般人か(その問題に)詳しい専門家か、あるいはテレビで有名な芸能人やコメンテーターか、などのタイプによって受け手の信じやすさも違ってくると考えられます。次に発信形態は、「文字だけ」、「写真、動画付き」、「拡散希望」と書かれているか、などが挙げられます。例えば、匿名の一般人による文字だけの情報では信用されにくい(つまり騙されにくい)のですが、テレビなどの有名人が、写真や動画を付けた情報を発信すると、受け手は信用しがちで、偽情報かどうか自分で確認しないうちにそれをリツイートしてしまい、拡散してしまう、ということが考えられます。さらに、情報の内容別では、ステレオタイプで語られる国の偽情報やマイノリティに対する批判、異物混入に関するデマなど、いくつか学生がひっかかりやすいタイプ(傾向)も見られました。そして、災害時など多くの人が心理的に不安定なときにも、不安感を煽るような写真が付けられた情報は、それが匿名のデマでも拡散されやすくなります。2011年東日本大震災の時に、「コスモ石油の火災で有害物質がでる」というデマがチェーンメールで出回ったことを聞いたことがあるでしょうか。また、2016年熊本地震の直後には、「動物園からライオンが逃げた」というデマ情報もツイッターで拡散されました。非常時に悪ふざけでデマ情報を流すなどもってのほかですが、それを見た人も、とても難しいことですが、一度深呼吸をして、普段なら信用しないであろう匿名情報であることを思い返し、善意だとしてもフェイクニュースを拡散させないように、公的なところからの正しい情報発信がないかを調べ、あればそちらをリツイートする、といった姿勢も大切です。情報に対する意識を高め、メディアリテラシー(情報メディアを使いこなす能力)を向上させることが、こうした判断ができることにつながっていくと思います。

次回は、政府や報道機関などのフェイクニュース対策について解説します。

#1 フェイクニュースって、なに?
#2 日本では政治目的のフェイクニュースは少ない?
#3 フェイクニュースの拡散は防げる?
#4 法によるフェイクニュース対策を望む?
#5 メディアリテラシーって、なに?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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