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#2 ストレスを感じない考え方ってある?

明治大学 文学部 教授 岡安 孝弘

「コントロール不可能性」と「予測不可能性」から逃れることはできない。

ストレス反応を引き起こすストレッサーには、大きく分けて2つのストレス要素があります。ひとつは、「コントロール不可能性」です。直面する問題を解決しようとしても、思うように解決することができない。あるいは、何かをこうしようと思ってやっても、思い通りにならない。このようなとき、人にとって強いストレッサーになります。ふたつ目が、「予測不可能性」です。将来、自分がどういう状態になるのか見通しが立たないことです。例えば、自分の手に余る仕事を任されたとき、一生懸命やっても思い通りにならない。しかも、この状態がいつまで続くのか見通しが立たない。このように、コントロールもできないし、先の予測もできないと、それは非常に強いストレッサーになり、ストレス反応を引き起こす大きな原因となるのです。問題を重大に考えなければストレスにならない、とう意見があります。確かに、人によって価値観が違います。仕事が一番大事という人もいれば、人間関係が大事という人もいます。人間関係が大事な人にとっては、仕事が上手くいかないことはあまり大きなストレッサーにはならないかもしれません。しかし、そのような人にとって、人間関係が少しでも思い通りにならなかったり、大切にしたい人との将来の関係が予測できないような場合には大きなストレスとなります。つまり、どんな考え方、どんな価値観であっても、その価値が損なわれるようなコントロール不可能性、予測不可能性にさらされると、大きなストレス反応が引き起こされるのです。そこで、ストレスを和らげる活動が必要になってきます。

次回は、ストレスを和らげるストレスコーピングについて紹介します。

#1 そもそもストレスってどういうこと?
#2 ストレスを感じない考え方ってある?
#3 最良のストレス対処法は?
#4 自分にストレス症状があるのか気づくには?
#5 相談に行くと専門家は何をしてくれるの?
#6 最良のストレスマネジメント法は?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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