2024.03.21
- 2017年10月6日
- リレーコラム
#2 父親が育児をすると子どもの能力が高まる?
藤田 結子 明治大学 商学部 兼任講師父親が育児をすると子どもの非認知能力が高まるというデータがある。
実は、男性が育児をするメリットは、妻のためばかりではなく、子どもにとっても良いという研究結果があります。母親ひとりで育てるよりも、父親が育児をすると、子どものボキャブラリーが増えたり、いま話題の非認知能力が養われるというのです。非認知能力とは、社交性とか、自尊心、忍耐力などの能力で、IQ(知能)よりも、将来の社会的成功に結びつきやすい能力といわれています。もちろん、子どもの能力を高めることだけが育児の目的ではありませんが、あまりにも父親と接する機会のなかった子どもは、大人になっても、年上の男性との接し方がわからず、怖がるという例もあります。本学でも、同世代の男子や女性の教員とは普通に喋っているのに、就活の際、年上の男性の前では上手く喋れなかった、という男子学生の話を聞きます。育児における父親の不在が関係しているのではないかと思います。
最近の若い男性は、育児に積極的だといいます。実際、アンケートを取ると、男性も育児をするべきと答える男性がとても多くなっています。しかし、休日には5~6割の男性が育児をやっているものの、平日は約3割です。しかも、時間でみると、平均して1日約30分ほどです。これでは、やっていると言いながら大してやっていない、という妻の不満の声が聞こえてきそうです。しかし、労働時間の長い日本で、男性が平日にも育児をするのは大変なことでしょう。ときには、妻は感謝の言葉を言うことも必要です。そうした気持ちと言葉で、夫の育児をする時間が増えていくこともあります。もちろん、夫も、育児に頑張る妻に感謝の言葉を言いましょう。育児は協力してするものなのですから。複数の人の手で育てた方が能力の高い子に育つというのは、当然のことなのです。
次回は、育児について会社の理解を得る方法について紹介します。
#1 「育児をする妻はイライラするもの?
#2 父親が育児をすると子どもの能力が高まる?
#3 育児のために定時で帰れるようになる?
#4 育児支援サービスに頼っても良い?
#5 社会が変わらなければ育児も変わらない?
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。