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私が考える「次世代リーダーに必要な力」【3】

今村 哲也 今村 哲也 明治大学 情報コミュニケーション学部 教授

めまぐるしく変化する世界情勢において、企業や組織が生き残っていくために、どんな人材が求められているのか。
さまざまな分野に精通した明治大学の教授陣が考える、これからの日本を担うリーダーに必要な力とは。

人間の行動を規律するルールを熟知せよ

リーダーというのは自分のためではなく、みんなのために何かをやる人です。何かをやるときには当然みんなの行動原理・行動原則をよく知らなくてはなりません。法律はもちろん、マーケットの仕組みや技術環境、世の中のモラルを理解したうえで、多くの人が幸せになるにはどういうルールづくりが必要なのかを考えなくてはいけない。

ルールのポイントとしては予測可能性ができること。具体的な妥当性があることも大切です。このように、組織をリードしていくときには、一人ひとりの個人を見て、その人たちがどういう行動を取ればいいのか明示することが求められます。環境の変化が激しい時代に、生き残っている企業を見ると、自分たちで自分たちの市場のルールをつくってきたり、イノベーションで新しい消費者を創造したり。マーケットの仕組み自体を変えているところもあります。マーケットを変えるというのはルールづくりと似ている点もあるのです。

個人の嗜好や多様な考え方を尊重しながら、自分の置かれた状況に対して必要なルールを設計・活用していく力。これがリーダーにとって大事なことではないでしょうか。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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