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#4 地方での活動を成功させる方法は?

明治大学 農学部 教授 小田切 徳美

地域の人たちに、謙虚に学ぶ姿勢こそが重要。

私のゼミ生の話です。大学での専門を活かして青果物流通の会社に就職し、その会社の一部門で東京のデパ地下の高級果物コーナーで意気揚々と勤めはじめた女性がいます。ところが、だんだん元気がなくなっていきました。仕事に追われ、自分の時間がもてないことに違和感をもつようになっていったのです。そこで、彼女は思い切って、仕事を辞め、島根県のある町が募集した「地域おこし協力隊」に参加しました。彼女にとっては未知の町でしたが、そのミッションが、前回触れた「関わり代」として、惹きつけたのでしょう。そのミッションは、その町にある道の駅の再生でした。近隣に高速道路ができ、その道の駅がある一般道の交通量の減少による存続の危機さえも語られていました。3年間、彼女は道の駅での販売支援はもちろん、様々なイベント企画をするなど、道の駅の魅力化に努めました。その結果は、道の駅全体の落ち込みを予想よりは抑えることができました。そして、何より彼女の頑張りが評価され、町役場の職員になることをすすめられました。彼女は試験を受けて合格し、現在は、地域づくりに関わる行政ウーマンとしてバリバリと活動しています。

彼女が担った道の駅の再生には、東京でのデパート勤務の経験が活かされた面もあったと思います。しかし、より重要だったのは、まったく見ず知らずの町で、彼女は謙虚に学ぼうとしたことです。しばしば、地方は閉鎖的と思われがちです。しかし、よそ者に対して多少なりとも閉鎖的なのは、都市でも同じでしょう。大切なのは、そのとき、謙虚だということです。東京のデパートでの経験を鼻にかけていたら、彼女は受け入れられなかったかもしれません。しかし、謙虚に接する人は、誰でも地域のネットワークに迎え入れてもらえます。彼女はネットワークに入っただけでなく、地域の人たちに学び、彼女なりのネットワークをつくり、広げていったのです。それが、地域の行政ウーマンとして活躍するキャリアへとつながっていきました。実は、彼女のような例は、最近増えているのです。

次回は、都市と農山村共生につながる活動を続ける女性を紹介します。

#1 「地方創生」って、都市には関係ないでしょう?
#2 田園回帰って、どうやったら上手くいく?
#3 地方の生活に関わってみたい!! でも、どうやって?
#4 地方での活動を成功させる方法は?
#5 都市か地方の二者択一じゃなくても良い?
#6 農学部が人気なのはなぜ?
#7 でも、地方は消滅するって本当?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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