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#1 トクホって、何がすごいの?

明治大学 商学部 教授 浅賀宏昭

トクホの関与成分は、ありふれた天然物質であることも多いのです

最近、保健機能食品を数多く見かけるようになりました。いわゆるトクホと呼ばれる特定保健用食品、栄養機能食品や機能性表示食品のことです。こうした食品には、私たちの健康の維持に寄与する成分(関与成分)が配合されています。関与成分は、聞きなれない化学物質名で表示されることも多いため、何やらものすごい合成化学物質が入っているように思ってしまう人もいるようです。しかし、私たちが永らく食べてきた食物にも含まれている成分が使われていることも多く、それらは決して特別なものではありません。むしろ、食物に含まれる成分を抽出・単離して、純度の高いものが得られるようになったり、人体への効果を調べたりする技術も進歩したことが、こうした食品制度を後押ししてきたと言えるかもしれません。

つまり、比較的高額なトクホなどに配合されている関与成分は、一般の食品にも含まれていたりすることは珍しくないということです。別の言い方をすれば、機能性が表示してない食品だからと言って、それらに機能性が全くないということでもないのです。トクホなどの高額商品に妙にこだわっているように見える人も少なくないので、ここは指摘しておきたいですね。

例えば、キシリトールです。これはいわゆる虫歯菌(Streptococcus mutans)が取り込むけれども代謝できないことから、虫歯になりにくいガムなどのトクホの関与成分に使われています。一方で、舌に冷涼感を与えることもあるので、一般の(トクホではない)ガムやキャンデーなどにも使われていたりします。それから、茶カテキンが関与成分のトクホが、体脂肪が気になる人へ向けて販売されていますね。しかし、この茶カテキンは、普通のお茶(緑茶)にも含まれている、きわめてありふれた成分です。一日にたくさんお茶を飲む機会のある人は、わざわざトクホのお茶を買って飲む必要が果たしてどれぐらいあるのか、疑問です。

無駄をなくすためには、食品の成分表示などを、普段から注意して見ることをお勧めします。トクホなどの保健機能食品にやたらとこだわるのは浪費につながることもありますから、状況に応じて、使い分ければよいと思います。

次回は、食品表示の見方のあるポイントについて、紹介します。

#1 トクホって、何がすごいの?
#2 一般のスポーツドリンクに効果はある?
#3 カルニチンを摂ればやせられる?
#4 ビタミンEはたくさん摂れば効果も大きい?
#5 トレハロースが人類の夢をかなえる?
#6 コラーゲンはやっぱり身体に効く?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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