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#5 長生きするほど受取り額が多くなる保険?

明治大学 商学部 教授 中林 真理子

高齢化社会や少子化対策、社会保険の負担を抑える保険の登場

保険は、時代のリスクマネジメントのニーズに合ったものが次々と考えられています。いま注目の保険のひとつが、「トンチン年金」といわれるタイプの保険です。これは、イタリアのロレンツォ・トンチが考えたといわれる保険で、加入者たちが一定期間払い込んだ保険料を原資に、その後、毎年年金が支払われるのですが、亡くなる人が出ると、その人の分の年金は生存している人たちで分けるというシステムです。つまり、長生きするほど受取れる保険金が増えるというわけです。これなどは、高齢化社会に合せた保険といえるかもしれません。

自動車保険の分野では、テレマティクス保険が注目されています。これは、アクセルの踏み方、ブレーキの踏み方をはじめ、ドライブレコーダーから情報を取得し、そのドライバーの運転特性を把握し、それを基に保険料を割り引いたりする仕組みです。この結果、安全運転と分析されるドライバーほど、保険料が安くなります。同じように、ウェラブル端末を装着して、その人の歩数情報などを取得し、健康的な生活をしている人ほど、保険料が安くなったり、付加的なサービスを受けられる医療保険も考えられています。安全運転や健康的な生活であるほど事故発生確率は下がるので、保険としては合理的なシステムです。また、これによって安全運転志向、健康志向が進めば、社会保険の負担を抑えるなど、社会的にもメリットがあるので、こうした保険の傾向は世界全体の潮流になっていくものと思います。

また、最近は不妊治療の費用を賄うための保険も注目を集めています。確かに、不妊治療の費用は数百万円かかることもあり、自治体等からの補助に加えてこうした保険も必要と考えられます。こうした保険も、少子化対策という時代のニーズに適した保険といえます。

次回は、賢い保険選びの方法について紹介します。
#1 保険は、保険会社が儲かるようにできている?
#2 生命保険は損か得か?
#3 火災保険では地震の被害は補償されないの?
#4 医療保険は必要不可欠?
#5 長生きするほど受取り額が多くなる保険?
#6 専門家に相談するのは勇気がいる?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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