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#1 保険は、保険会社が儲かるようにできている?

明治大学 商学部 教授 中林 真理子

保険料は、事故発生確率によって綿密に計算されている

保険を、不測の事態が起きたときにみんなで助け合う、そのための準備のための制度として捉えると、それは古代ギリシアやローマの時代から存在していた制度と言えます。日本でもこうした考え方は古くからあり、よく知られている制度では、江戸時代に庶民の間で頼母子講が発達しました。しかし、助け合いや頼母子講と、現代の保険制度の一番大きな違いは、リスクに対する数理的な評価を基に保険料を算出していることです。

例えば、頼母子講は講員が出せるお金を出し合い、入札やくじで、講員の中の1人が交代で所定の金額を受取るシステムです。それに対して、現代の保険制度では、事故発生率が高ければ保険料は高くなり、低ければ安くなります。相互扶助が数理的な意味でより公平になるように計算されているわけです。

加入者の立場で見ると、例えば、いわゆる掛け捨ての保険の場合、保険期間に何事もなく給付がないと、自分の払った保険料が無駄になったような感じで、なんとなく損をした気分になりますが、だからといって、その分保険会社が儲けているわけではありません。保険会社に余計な利益は生まれない仕組みになっているのです。

保険では加入者の中で事故に遭う人は限られているので、自分に何事もなければ、それはむしろ幸せなことです。無駄をなくすというのなら、自分にとって本当に必要な保険をしっかり選ぶことです。

また保険は、請求主義が基本です。契約者からの請求があって初めて保険金の支払い手続きを行いますので、自分が加入している契約内容がわからなければ、保険金の給付が受けられないということも起こりえます。お付き合いで保険に入ったという人も多いと思いますが、一度、自分が加入する保険の契約内容について見直してみてはいかがでしょうか。保障がダブっていたり、保険金の支払い対象になる事態が生じていたことに気づかず、請求していなかったということもあるかもしれません。

次回は、生命保険について紹介します。
 

#1 保険は、保険会社が儲かるようにできている?
#2 生命保険は損か得か?
#3 火災保険では地震の被害は補償されないの?
#4 医療保険は必要不可欠?
#5 長生きするほど受取り額が多くなる保険?
#6 専門家に相談するのは勇気がいる?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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