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#3 自分を印象づけるシグネチャーとは?

明治大学 国際日本学部 特任教授 中野 香織

シグネチャー・ファッションが上手な人には、強い個性と戦略がある。

自分らしさを効果的に印象づけるテクニックとして、シグネチャー・グルーミングがあります。いつも同じ髪型やスタイルで現れるのは、社会に自分の存在を認めさせるうえで、確かに有効です。有名なのは、映画化された小説「プラダを着た悪魔」のモデルといわれる「ヴォーグ」の編集長、アナ・ウィンターのボブカットとサングラスでしょうか。身近なところでは、日本の芸人さんなどもこのテクニックを使っている人が多いようです。

このテクニックを応用して、強い個性を逆に和らげた人もいます。イギリスの首相として有名なウィンストン・チャーチルは、一見するとその厳つい顔に似合わない水玉のボウタイをトレードマークにしていました。いわば、シグネチャー・ファッションです。彼は顔が厳ついだけでなく、毒舌家でもありましたが、水玉のボウタイには、その嫌みを和らげてユーモアに変える効果があったと思います。もし、チャーチルがボウタイではなく普通のネクタイをしていたら、あの厳つい顔から放たれる毒舌がストレートに突き刺さってしまい、相当に嫌な感じがしたかもしれません。つまり、シグネチャーを効果的に活かす人は、自分の軸をしっかりもっていて、それを社会にどうプレゼンテーションするかということを考え、戦略にしているのです。

最近では、カナダの首相のジャスティン・トルドーの靴下が注目の的です。ビシッと決めたスーツにドクロ柄の靴下とか、真っ赤な靴下とか。美しい言葉、美しい振る舞いのトルドーだからこそ、靴下の抵抗がオシャレになります。私は、これをエレガント・レジスタンスと名付けています。彼も自分の軸をもち、それを効果的に印象づける戦略をとっているのです。この靴下の抵抗を、ただ真似たからといって、誰もが様になるわけではありません。まずは、自分にしっかりとした軸をもち、そこから、その軸に相応しいシグネチャー(しるし)を考えてみることが大切です。

次回は、効果的に使えるプラスワン・アイテムについて紹介します。

#1 ファッションセンスを磨くには、どうしたら良いの?
#2 自分の欠点を隠す必要はない!?
#3 自分を印象づけるシグネチャーとは?
#4 プラスワン・アイテムの効果とは?
#5 日本のファッションの常識は世界の非常識?
#6 次に来るのは、モデスト・ファッション?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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