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#1 悪徳商法に泣き寝入りしない!消費者保護の法律を学ぼう!

  • 明治大学 法学部 教授
  • 川地 宏行

民法の大原則「契約の拘束力」を盾に、クーリング・オフの穴をつく悪徳業者。

なぜ、悪徳商法というものが起こるのか。それは、悪徳業者が消費者と商品売買などの契約を結んだ場合、民法の原則である契約の拘束力が発生することを利用するからです。つまり、契約が成立すると契約の拘束力により、「注文したけど、やっぱり買うのはやめた」などと一方的に契約を破棄することはできなくなるのです。この契約の拘束力を悪徳業者は盾にします。その一方で民法は、契約の締結に際して詐欺や強迫があった場合は契約を取り消せると規定しています。しかし、その場合は、事業者に「意図的な」詐欺や強迫があったことを消費者側が証明しなくてはなりませんが、事業者の故意を証明することは大変難しいことですので、民法によって消費者が守られることは、実質的にはほとんどないのです。

そのため、悪徳商法に引っかかった消費者は泣き寝入りするばかりでした。そこで、1976年に、消費者を保護するための特別法としていわゆる訪問販売法(現在は特定商取引法に改称)が制定されました。
これは、事業者が消費者の家を突然訪問して契約を結んだ場合、消費者が事業者の帰責性についてなにも証明しなくても、無条件に契約をなかったことにできるという権利を定めた法律です。これが、クーリング・オフと呼ばれている権利です。クーリング・オフは民法の認める契約の拘束力を180度覆す権利で、クーリング・オフを認めた訪問販売法は消費者を保護する画期的な法律といえるものでした。

ところが、悪徳業者は法律の隙間をつきます。訪問販売にクーリング・オフが認められるようになると、割の合わない訪問販売に見切りを付け、消費者の家に訪問するのではないキャッチセールス(路上でアンケートを装うなどして事務所に連れ込み契約させる)やアポイントメントセールス(賞品に当選したなどおいしい話をでっちあげて事務所に誘い出して契約させる)。電話で勧誘する資格商法。通常のクーリング・オフ期間である8日間が過ぎてから騙されたことに気がつく内職商法やモニター商法。また、英会話学校やエステの契約を長期間結ばせて中途解約に応じなかったり、事業者との契約が解消されても信販会社への支払いが残ったりと、次々と新手の悪徳商法がつくり出されたのです。新たな悪徳商法が社会問題になる度に、新手の悪徳商法についてもクーリング・オフや中途解約ができるように法律が改正されてきました。しかし、このような後手後手に回るイタチごっこでは切りがありません。そこで、消費者契約全般についての総合的なルールをつくることを目的に、2001年に施行されたのが消費者契約法です。

次回は、消費者を保護する権利を認めた消費者契約法について解説します。

#1 悪徳商法に泣き寝入りしない!消費者保護の法律を学ぼう!
#2 どんな悪徳商法も投網に掛ける消費者契約法
#3 トラブルの多くは、クーリング・オフで解決できる
#4 特定商取引法の対象外には消費者契約法を適用

プロフィール

川地 宏行

明治大学 法学部 教授

研究分野
民事法学 民法(財産法)
研究テーマ
金銭債権の保全・管理・回収上の諸問題、金融サービス業者の民事責任、キャッシュレス支払手段
主な著書・論文
  • 『外貨債権の法理』(信山社)
  • 「偽造・盗難キャッシュカードによる預金の不正引出と責任分担」(専修大学法学研究所紀要27号『民事法の諸問題ⅩⅡ』)
  • 「利息制限法・貸金業法の改正によるみなし弁済規定の廃止と民事法上の課題」(クレジット研究38号)

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2017年4月20日
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2017年4月14日
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2017年4月13日
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2017年4月10日
アジア工科大学院(タイ)と協力協定を締結
2017年4月07日
2017年度入学式を挙行しました
2017年4月24日
5.18国際博物館の日記念 特別展示「ホンモノの偽札を見てみよう」4月26日~6月3日 平和教育登戸研究所資料館で開催
2017年4月17日
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2017年4月17日
明治大学島嶼文化研究所設立記念フォーラム「国際社会の中の沖縄奄美」4月29日(土)、駿河台キャンパスで開催
2017年4月13日
明治大学現代中国研究所出版記念シンポジウム『現代中国と市民社会-普遍的《近代》の可能性』4月22日(土)駿河台キャンパスで開催
2017年4月06日
新歓時期に起こりがちな飲酒事故防止を“マンガ”で解説「明大SNSスタイル」第3弾を公開~明大を舞台にした物語でよりわかりやすく~
2017年4月05日
学校法人明治大学 格付投資情報センター(R&I)から「AA(新規)」の格付を取得 ~学校法人としては最上位の評価~
2017年3月24日
国際武器移転史研究所研究叢書2 榎本珠良編『国際政治史における軍縮と軍備管理』2017年3月刊行
2017年4月21日
朝日新聞、読売新聞、毎日新聞など(4月21日朝刊)/「国と地方のあり方」をテーマに衆院憲法審査会が行った参考人質疑についての記事に、参考人として出席した大津浩教授(法学部)による意見が掲載されました
2017年4月21日
日本経済新聞(4月21日朝刊)/「かがくアゴラ」に、福原美三学長特任補佐による記事「大学ネット授業 日本人少なく」が掲載されました
2017年4月21日
中日新聞(4月20日朝刊)/関西電力美浜原発1,2号機等の廃炉認可についての記事に、勝田忠広准教授(法学部)のコメントが掲載されました
2017年4月21日
日本農業新聞(4月20日朝刊)/高校生の農村体験を受け入れる「信州せいしゅん村」についての記事に、小田切徳美教授(農学部)のコメントが掲載されました
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毎日新聞(4月19日朝刊)/高齢者らの住宅確保などに関する改正法についての記事に、園田眞理子教授(理工学部)のコメントが掲載されました
2017年4月21日
モーニングCROSS(TOKYO MX・4月19日放送)/野田稔教授(グローバル・ビジネス研究科)がゲスト出演しました
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