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2014.12.01

求められるグローバル人材育成のために

求められるグローバル人材育成のために
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未来を切り拓くグローバル人材

福宮賢一学長 国際化の進展に伴い、国境を超えて世界で活躍できる「グローバル人材」の育成が各方面で盛んに議論されています。かつてグローバル人材といえば、語学力やコミュニケーション力を備えた人材と見られていましたが、現在はそれだけでは通用しない時代です。私が考えるグローバル人材とは、人類愛に対する共感に裏打ちされた異文化理解力を持ち、論理的思考力を備えた「未来開拓力」に優れた人材です。このような資質を持った人が、日本や世界が抱えている課題を解決し、未来を切り拓いていく人材だと思います。
各大学とも、グローバル人材の育成には鋭意取り組んでいますが、容易なことではありません。グローバル人材育成の手段の一つとして海外留学がありますが、様々な理由のためにすべての学生が留学できるわけではありません。そのため、海外に送り出す取り組みに加え、国内で異文化体験できる機会があることも重要です。最近、明治大学では、留学生を受け入れて交流を深める一環として日本初の「模擬国連ワークショップ」を開催し、学内に世界各国から100名を超える学生・教員が集まり、世界が抱える課題を解決するための方法についてセッションを行いました。また、国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所と協定を締結し、「難民」を対象とした推薦入試を行い、これまでに7名の難民学生を受け入れています。印象深かったのはアフガニスタンから逃れてきた学生です。あるイベントで、明治大学で学べることへの心からの感謝の辞を述べてくれました。それは、人間としての喜びまでに昇華されている素晴らしいスピーチでした。苛酷な人生を歩んできた彼と学生との交流は、大きなインパクトをもたらしたと思われます。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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