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2016.05.17

いのちを守り、生活を守る。 支援の心と、地震への備えを、いま。

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家と家族を守るために、いまできること

中林 一樹 一方で、被災地以外に暮らす私たちに、いまできることは何でしょう。支援の心、ボランティア心(ごころ)を忘れないことは誰にでもできます。東日本大震災の被災地もようやく土木工事が終わったばかりですから、熊本にも東日本にも、さまざまな支援が必要です。小さなことかもしれませんが、野菜は熊本と福島産、魚は宮城と岩手産を選ぶといったように、現地に行かなくても同時に支援を行う方法はいくらでもあります。義援金や支援金も、どこにいてもできる支援の一つです。

 そのうえで、次に起きる地震を自らの問題として考え、備えることを期待します。首都圏も、30年以内に70%の確率で首都直下地震が発生すると言われています。首都圏だけではなく日本のどこに住んでいても、他人事ではなく、自分事として真剣にその備えを考えなければなりません。いまがそのときではないでしょうか。

 私たちのすべきことをひと言で言えば「被災者にならないための準備」です。最優先の課題は「家を一瞬で壊さないこと」。新耐震基準が施行(1981年)される以前の住宅は、自治体が無料で行っている耐震診断を受け、補強の必要があれば、自治体の助成制度などを活用して、耐震改修を行いましょう。マンションの場合は管理組合の合意が必要ですが、行政の支援はあります。地震で死傷しないためには、自宅を強くし、さらに家具を固定する、あるいは家具部屋をつくるなどして、我が家にも安全空間を確保することがポイントです。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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