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いのちを守り、生活を守る。 支援の心と、地震への備えを、いま。

明治大学大学院 政治経済学研究科 特任教授 中林 一樹

仮設住宅は復興の拠点でありたい

 私は東日本大震災の被災地で、2012年から毎年復興に関する調査を行っています。そのなかで1.食生活が以前に戻ること、2.仕事や収入が回復すること、3.住宅再建の見通しが立つこと、4.街が復興していくこと、の4つのステップを経て被災者の「生活復興感」が高まることが分かってきました。

 食生活に関しては、仮設住宅での生活に移行するとき、自分で料理ができるように、周辺で食材が買える環境も必要になります。また仮設住宅の生活は自立ですから、被災者が収入を得るために、支援を必要としている人の実態を調べ、収入の道を確保することが急がれます。東日本大震災では、がれきの撤去作業に日当が支払われ、その収入で日々の生活をまかなうこともできました。新潟県中越地震では農道やあぜ道の修復などを被災者自身が行い、復興基金で賃金を払って、農業の復興と生活費の心配の両方が解消でき、回復を急ぐことができました。熊本もそうした事例に学んで、被災者の収入の道を確保することが重要です。

 住宅の再建と街の復興については熟慮が必要です。街に活断層がある以上、いつかまた地震は起きます。どうすれば安全と言えるのか、住宅にはどの程度の強度が必要か、議論し、地域の人の声もよく聞いて、当事者間で街づくりのイメージを一致させることが欠かせません。街づくりの方向が定まらなければ、結果的に住宅の再建も遅れます。
以上4つのステップをすみやかに動かしていくために、復興基金をぜひ立ち上げてほしいと思います。そして、被災地域に自由な裁量を与え、柔軟な対応を可能にする仕組みが望まれます。

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