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2015.04.01

はじまる、「マイナンバー制度」 ―個人情報保護と公益性は両立するか―

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公益性から見るマイナンバー制度

佐々木秀智教授 ――最後に、マイナンバー制度に関して社会への提言をお願します。

マイナンバー制度は来年1月からスタートしますが、その事実さえもまだ知らない人がいるかもしれません。10月に12桁のマイナンバーが役所から送られてくること、自分に番号が付与されるという事実を、まずは知ってもらいたいと思います。その上で、マイナンバーの必要性とその制度がはらむ問題を認識・理解してください。繰り返しになりますが、税の公平性、社会保障の拡充、災害対策のためにマイナンバーのような仕組みは日本において必要なものなのです。
個人情報を保護する法的規律を整備することは重要なことですが、その完全な保障を確保しつつ、税の公平性や社会保障の拡充を試みるのは困難と言わざるを得ません。日本の個人情報をめぐる議論は個人の権利利益に重点を置く傾向がみられますが、公益性の観点を導入することも必要と思われます。

 ――本日は、ありがとうございました。

※掲載内容は2015年4月時点の情報です。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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