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グローバル化する憲法 ―求められる人権保障の多層的システム―

明治大学 法科大学院 教授 江島 晶子

憲法を見る国際社会の視線

江島晶子教授 世界は動いています。激しく動いた国では、動いた後に(場合によっては動いているうちから)登場するのが、憲法制定・改正の議論です。とりわけ、第二次世界大戦後、非欧米圏において多数の独立国家が誕生し、数多くの憲法が誕生しました。興味深いのは、現代の憲法制定過程は、一国の問題ではなく、他国及び国際社会の注目の下で展開していることです。どのような憲法を制定するか、どのように憲法を改正するかについて、国際社会や他国は注目しています。投資家さえも反応します。つまり、憲法の内容が国への評価に結びつきうる時代なのです。そうした例の一つが南アフリカ憲法(1996年公布、1997年施行)です。アパルトヘイトを廃止し、国際社会への再デビューを果たした南アフリカの憲法は、20世紀末の「最新装備」と評価されました(もちろん、憲法典がただちに南アフリカ社会の問題を解決するわけではありませんが)。新たな理念の下に再出発した南アフリカが、2010年にアフリカ大陸初のFIFAワールドカップ開催を成功させたことは記憶に新しいところです。一方、ハンガリーは2011年に憲法裁判所の権限を制限するなど、立憲主義とは逆行する内容の憲法改正を透明性・熟議が不十分なまま性急に行い、国際社会から警戒の目で見られているという例もあります。「アラブの春」後の国々の憲法制定が注視されていることはいうまでもありません。

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