2024.03.21
がん要因の45%は予防可能!! それを知らずに生活するのは危険
宮脇 梨奈 明治大学 文学部 専任講師日本人はヘルスリテラシーを高めることも必要
一方で、一般の人たちもヘルスリテラシーを高める必要があると思います。ヘルスリテラシーとは、健康情報を入手して理解し、情報の正誤を評価し、正しい情報を基に判断し、行動に移していくということです。日本人は、欧米の人に比べ、この点が低いと思います。例えば、がん検診受診率が日本では30~40%なのに対して、アメリカは70~80%に達しています。日本のように治療費のサポートが厚い保険制度ではないアメリカでは、まず罹患しないことに力を入れているとはいえ、がん予防を含め健康増進や疾病予防のための教育を若年時から行い、ヘルスリテラシーを高めていることも背景にあります。日本でも、この4月から、全国の小中学校でがん教育がはじまります。さらには、今後は社会に出る前の高校生、大学生などに対しても発育発達に合わせた教育も必要になってくると思います。まずは、がんを他人事と思わず、がんに関する正しい知識をもち、「がんを防ぐ12か条」などがん予防行動を実践する大切さ、罹患しても、死亡リスクを下げることに繋がる早期発見のためのがん検診受診の重要性など、がんに対する基本的な情報を学び、それによってヘルスリテラシーが高まることを期待しています。