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女性が活躍する未来の農村のために

明治大学 農学部 教授 大内 雅利

男性中心の農村社会

 ところが、女性の新規就農者が伸びているかといえば、必ずしもそうではありません。2016年の新規就農者のうち、女性が占める割合は24.4%にとどまっています。50~64歳の農業従事者では、女性の割合が半数を越えていますが、若い女性層の新規就農者は極めて少ないのです。さらに農村に若い女性が減ることは地域の発展にも関わってきます。2014年5月に発表された日本創成会議・人口減少問題検討分科会のレポートでは、20~39歳の女性人口の減少を根拠に、地方消滅を指摘しました。その現実的な妥当性は別にして、地域の主産業である農業や地域そのものに魅力がなければ、若い女性世代が流出するばかりという不安も浮き彫りにしました。農水省も、先に紹介したような「農業女子プロジェクト」を推進し、既存の農業従事者の女性を支援する政策に加え、若い女性の新規就農者を増やす政策を実施するようになったのです。

 新聞記事を一つ紹介しましょう。レタス栽培が盛んなある地域では、1戸あたりの年間販売額はおよそ3000万円、レタス御殿と呼ばれる豪邸が建ち並んでいます。それでも、地域から都市部などに出て、そのまま戻らない女性が増え、外から来る女性はほとんどなく、人口は減っているというのです。なぜなのか。外から来たある女性は、「オシャレをしたり新しいことをすると、周囲から後ろ指をさされる、そのため息を殺して生きてきた」と言います。農業が活性化され経済的に潤っても、男性中心の古いしきたりや因習に縛られている地域では、女性は生きにくいのです。経済視点や産業視点だけでは、女性にとって必ずしも魅力的な地域とは言えないのです。

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