明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

ダイバーシティの根幹に触れるヒューマンライブラリーの取組み

明治大学 国際日本学部長 教授 横田 雅弘

最近、ダイバーシティ(Diversity:多様性)という言葉をよく耳にします。企業の間でもダイバーシティ・マネジメントが注目されているといいます。しかし、そのためにはどんな取組みが必要なのか。本学の横田ゼミが行っている「ヒューマンライブラリー」に、その答えのヒントがあります。

「異文化間教育」は「外国人」の問題だけではない

横田 雅弘 私の研究領域は、「異文化間教育」です。特に、海外からの留学生など、日本とは異なる文化をもって日本に来る人たちについて研究していました。その一環として、外国から来た人たちを支援するボランティア団体を1988年に立ち上げました。このボランティア団体には、学生や主婦など様々な人たちが参加してくれたのですが、男女間や世代間でコミュニケーションがあまり上手くいきませんでした。例えば、在職中に数々の海外赴任をしてきた、いわゆる国際人といわれる男性が退職後に参加してくれたのですが、団体で行っていた会計のやり方を「おばちゃんの家計簿」と揶揄したりするのです。これではメンバーの主婦の人たちと上手くいくはずがありません。国際人といいながら、地域社会で自分のできる範囲でがんばってくれている多様な方々の参加の仕方も理解してもらえないのか。そう考えると、異文化間教育とは、なにも外国人だけを関心領域にするものではないな、と思い始めました。

 そこで、私の前任校の授業で、一生のうちに一度も話す機会がないかもしれない人たちに会って話を聞き、その体験をワークショップで発表するという取り組みを始めました。例えば、ホームレスの人であるとか、ゲイの人、神父さんなどから話を聞いてくるのです。すると、ほとんどの学生が、事前に抱いていたイメージと、実際に会って聞いた話とではものすごいギャップがあり、ショックを受けたというのです。異文化間教育のテーマは「国際」だけでなく、私たちの周りに普通にある「文化際」的なものも含まれるのだと思うようになり、私の研究関心も広がりました。

社会・ライフの関連記事

現代の経済学では説明できない!? 縄文時代の持続可能性社会

2017.6.14

現代の経済学では説明できない!? 縄文時代の持続可能性社会

  • 明治大学 文学部 教授
  • 阿部 芳郎
原発を不要にした社会から、さらに永続可能な社会へ

2017.5.24

原発を不要にした社会から、さらに永続可能な社会へ

  • 明治大学 農学部 教授
  • 大江 徹男
振込め詐欺を素材に、刑法による介入の限界を考える

2017.4.26

振込め詐欺を素材に、刑法による介入の限界を考える

  • 明治大学 法学部 教授
  • 内田 幸隆
「沖縄振興予算」という呼称が、誤解を招いている

2017.3.15

「沖縄振興予算」という呼称が、誤解を招いている

  • 明治大学 政治経済学部 教授
  • 池宮城 秀正

Meiji.netとは

新着記事

2017.06.21

効果的な高齢者用補聴器を目指して、1/100秒の壁に挑む

2017.06.14

現代の経済学では説明できない!? 縄文時代の持続可能性社会

2017.06.07

移民をスケープゴートにするトランプ政権に改革は期待できるか?

2017.06.01

“アメリカの危機感”がトランプを大統領にした

2017.05.24

原発を不要にした社会から、さらに永続可能な社会へ

人気記事ランキング

1

2014.09.01

緊急提言、人口減少社会に歯止めをかける ―方策は少子化対策、社会…

2

2013.09.01

少子化問題を斬る ―原因は、未婚化・晩婚化・晩産化にあり―

3

2017.06.21

効果的な高齢者用補聴器を目指して、1/100秒の壁に挑む

4

2016.11.16

少年法適用年齢、引き下げて大丈夫ですか?

5

2017.06.14

現代の経済学では説明できない!? 縄文時代の持続可能性社会

Meiji.net注目キーワード

【注目!】連載コラム