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社会課題の解決に貢献するガバナンス人材を育成する

源由理子教授 多様な価値が渦巻くグローバル化の時代においては、社会課題の解決に貢献できるガバナンス人材が必要になる。ガバナンス人材は、政府、企業、市民社会から独立して機能するのではなく、どこかに所属しながらも、他のアクターのもつ価値・役割を理解し、協働を促進していく力を発揮できる人材である。通常のマネジメントは、単一の組織のなかで意思決定プロセスと権限が明確である。しかし、異なるアクターが関わる場では、明確な意思決定や命令系統が用意されているわけではない。たとえば行政が地元企業や町内会と、防災のための政策を実施していく過程で、住民は行政の指示に従う義務は必ずしもない。そんな協働の場では、それぞれのアクターの能力を引き出し、自発的な行動を促進できる人材が必要になる。ガバナンス人材には、アクター間の信頼関係を構築し、創発を促すコミュニケーションスキルと、体系的に事例を捉えられる論理的な思考のふたつが求められる。
 それはグローバル・イシューに挑むグローバル・ガバナンス人材も同様である。貧困や環境などのグローバル・イシューの影響は、先進国にも及んでいるが、特にアジアやアフリカの国々への影響が大きい。ガバナンス研究科では英語コースを併設し、それらの国々で政策形成・実施に携わる経験を持つ前途有望な留学生を受け入れている。日本人学生とともに、グローバルかつローカルな視点に立ち、公共の福祉の実現に貢献できる人材育成をめざしている。またさらに高度な人材育成に向けて、英語によるグローバル・ガバナンス研究科(博士後期課程)の設置準備をすすめており、グローバル・イシューの解決に貢献できる人材の輩出に貢献していきたいと考えている。

※掲載内容は2013年8月時点の情報です。

>>英語版はこちら(English)

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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