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「持続可能な開発のための2030アジェンダ」から考える、いま私たちがすべきこと

明治大学 情報コミュニケーション学部 専任講師 髙橋 華生子

途上国へのサポートというと、問題を改善するために現地へ赴き、様々な活動をすることと思いがちです。しかし、今年(2015年)9月の国連総会のサミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(2030アジェンダ)では、従来の途上国での取り組みに加え、先進国の責任と関与が盛り込まれています。その内容は、問題を地球規模で捉えることが重視されています。

途上国の問題を先進国の責任として考える

髙橋 華生子 2030アジェンダは、世界の貧困削減を目指して2001~2015年に掲げられたミレニアム開発目標(MDGs)に続くもので、貧困や格差、環境などの問題に取り組むための2030年までの国際目標です。MDGsに比べ、大きく変わった点があります。

 まず、MDGsのターゲットは途上国であり、途上国の開発と改善を進める、という考え方が主流でした。例えば、途上国の子ども達が教育を受けられないという問題があれば、いかに小学校に通える子ども達を増やすかなど、その途上国の国内での活動をメインとし、先進国はそれをどう支援するかという考え方です。ところが近年、途上国の貧困や環境の問題は途上国だけではなく、世界規模の課題であることが強調されています。例えば、アフリカ諸国の貧困は、それらの国が発展の努力をしていないからだ、と思われがちでしたが、アフリカで採れる資源などを先進国が搾取していることも大きな原因なのです。そのことを先進国がきちんと認識し、より主体的に責任ある行動をとらなくてはならない、ということを2030アジェンダでは反映させています。

 こうした考え方は、日本ではまだまだ浸透しているとはいえません。しかし、世界的に流行する疾病や、地球温暖化などの環境問題に目を向けてみればわかります。以前は、特定の地域で流行する疾病があっても、世界中で取り上げられることはありませんでしたが、現代では、多くの国が敏感に予防などの対策を講じています。疾病を抑えるには、流行している国や地域だけでなく、世界規模の対応が鍵になっているのです。先進国の搾取が要因のひとつである途上国の貧困や格差の問題も同じで、よりマクロな視点から解決を図ることが必要です。そのためには、現場での活動ももちろん大切ですが、政策レベルで問題解決に向けてのアプローチをとっていくことが重要になります。そこで、NGOといった市民組織が、政府や国際機関に対してどのように働きかけるかが、ひとつの焦点になっています。現場で事業を実施するだけでなく、私たち市民一人ひとりが、よりマクロな政策決定の場に向けて意見を発信していく、アドボカシー(advocacy)活動が求められているといえます。

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