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「教育は唯一奪われないもの」パレスチナ難民の思いに応える

岸 磨貴子 岸 磨貴子 明治大学 国際日本学部 准教授

「教育は唯一奪われないもの」の思いに応える

 かつてシリアは、パレスチナをはじめイラクやレバノンなどから多くの難民を受け入れてきた世界最大の難民受け入れ国のひとつでした。2011年のシリア危機以降、今では、世界最大の難民発生国となり、悲惨な状況になっています。私は、パレスチナ難民の教育支援の経験をもとに、現在はトルコにいるシリア難民支援(コミュニティ開発)に関わっています。また、トルコに避難しているシリア人と日本人の高校生の間で、ICTを活用したプロジェクトも進めています。それは、難民となった生徒と日本の高校生が共に学びあい、成長・発達することを目的としたものです。教育とは、知識や理解を深め、学んだことを活用していくだけではなく、新しい見方・考え方を広げ、各々が世界との関わり方や未来の可能性を創造していくことだと私は考えます。その意味で、「教育は唯一奪われないもの」というパレスチナ難民の思いは胸に響きます。この思いに、私は教育工学の立場から様々な形で応えていきたいと考えています。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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