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2017.11.15

TOEFL スピーキングスコアがアジア最下位の日本は、変われるか?

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本学も加わっている「スーパーグローバル大学創成」

 2020年度から大学入試が変わります。英語に関しては、4技能すべてを評価する資格・検定試験の活用が始まります。入試が変われば、高校生はそれに対応するスキルを身につけることを目指すので、その波及効果は確実に現れるものと思います。いま以上に、スピーキング力やリスニング力をつけた生徒が大学に入ってくるのは確実で、今度は大学側も、その学生の力をさらに伸ばす教育を提供することが求められます。そうした環境整備として、文科省が大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業を進めており、現在は「スーパーグローバル大学創成」として日本全国から37大学を選び、支援を行っています。本学もその中のひとつで、「グローバル30(国際化拠点整備事業)」の採択に始まり、15年にわたって国からの支援を受け、国際化と大学改革を進めています。私が所属する国際連携機構もこうした事業の一端を担い、留学を目指す学生の実践的英語力強化プログラムの整備をはじめ、海外からの留学生の受け入れも積極的に行っています。

 こうした背景には、日本の大学がグローバルな規模でKnowledge(知識)の拠点となり、世界的に認められる大学となる構想があることはもちろんですが、学生の立場から見ると、国内の雇用市場であっても、日本人であることのアドバンテージが今後はますます下がるという状況に対応することがあります。例えば、アジア新興国のエリート層は非常に優秀です。英語はもちろん日本語を習得する人も少なくありません。すると、企業にとってはどちらが欲しい人材となるのかは明らかです。さらに、これからの雇用市場では、全世界の優秀な人材とも戦っていくことになります。グローバルな市場で展開していく企業にとって、日本本社であっても、日本支社であっても、日本語しかできない日本人を採用する必然性はあるのでしょうか。そのときは、商業語として世界に流通している英語ができるのは当たり前で、その上で、どのようなスキルを身につけているかが問われます。その現実を見据えて学生をサポートしていくためにも、大学の国際化は欠かせないものと考えています。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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