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ノーベル賞の大隅先生のラボは自由と好奇心に溢れていた

明治大学 農学部 准教授  吉本 光希

疑問を解き明かしたいという気持ちが研究のモチベーション

吉本 光希 私は、植物のオートファジーを専門に研究しています。植物は動物と違って芽生えた場所から移動することができないので、様々な環境ストレスに適切に対応し、克服していくための機能をもっています。その機能のために、オートファジーのような分解系の仕組みは重要な役割を果たしているはずです。また、植物は光合成をおこなう独立栄養生物で、ほかの生き物とは一線を画している、まったく違う生物です。そこにも植物特異的なオートファジーの役割があると考えられます。こうした植物の特異性に、私は興味を惹かれました。

例えば、植物は自らの葉を枯らして、その栄養分を種子に流転させることで次の世代に命をつないでいく生き延び方をしていますが、その流転のシステムに、オートファジーが重要な役割を果していることを数年前につきとめました。ところが逆に、オートファジーを止めてみても、マウスのようにすぐに死んでしまうことはなく、その植物は生き続け、種子を作って世代を回すことさえできることが確認されました。これは、私たち研究者にとっても意外な結果でした。おそらく、植物は動けないからこそ、環境ストレスに適応するために、例えばオートファジーのようなひとつのシステムに頼るのではなく、複数のバックアップシステムを備えていることが考えられます。こうしたメカニズムを明らかにしたいという、ただ純粋な興味と好奇心が、私たちベーシックサイエンスにたずさわっている者の一番のモチベーションなのです。

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