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2013.12.01

国民皆簿記のすすめ ―社会に役立つ会計の考え方―

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あるべき社会のためのフレームワーク

 これまで企業や社会は、何かしらの問題が起こると場当たり的な対応に終始してきたケースが多いと思います。これを継続していくと企業においては財務諸表が歪み、社会においては明るい未来を描けません。あるべき社会の姿を考えて明るい未来を描いて行動することが必要だと思います。そのためには概念的なフレームワークが求められますが、その構築に会計の視点を応用させようというのが、私の社会への提言です。そのひとつが、国民みんなが会計のツールである簿記を習得する「国民皆簿記」のススメです。明治時代に簿記が小学校の教科書として存在しており、戦後も一時期までは中学校の教科書として存在していたことが確認され、教養として国民が学ぶ機会があったことを知ることができます。今では、自ら学ばない限り簿記のスキルを身に付ける環境はなくなりました。その結果学生は、自分のお金を管理することもままならない状態で社会に出る状況が生まれ、現在に至っています。自分のお金を管理できるということは、他人のお金を理解することにもつながっていきます。つまり、簿記は、お金という情報の向こうにいる相手を考えるというフレームワークをもたらしてくれるのです。明るい未来を実現し、人生の豊かさを得る方策の一つとして、「国民皆簿記」を提言します。

※掲載内容は2013年12月時点の情報です。

>>英語版はこちら(English)

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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