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2017.05.17

地方企業は、自己認識・革新力を磨くことで躍進する

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目に見えにくい経営資源こそ明確に認識するべき

森下 正 地方の企業を訪問させていただいていると、こうしたブランド力を開発し、企業力を高める会社がある一方で、自己認識・革新力が不足していると感じる企業も多くあります。自己認識・革新力とは、マスコミや通説に惑わされることなく、自分自身の存在価値をしっかり認識し、これを時流に合わせて改革できる能力です。例えば、企業経営では、設備や資金などの物的資源や、人材などの人的資源に目が行きがちですが、自社内で開発、蓄積されてきた様々なノウハウなどの経営資源を明確に把握し、それを時流に合わせて活かせるように発想することです。目に見えにくい経営資源にこそ、自分たちの存在価値があり、自分たちの強みであったリ弱みがあります。それをしっかり捉えていれば、社会の動きに正しく対応する取組みができるはずです。その認識ができていないために、思いつきの製品開発や、サービス開発になってしまうことが往々にしてあります。同じように、その地域独自の地域資源をしっかり認識することも重要です。例えば、北海道の広大な農地は、それだけで都会の人にとっては癒やしの光景です。その認識があれば、そこから巨大な田んぼアートや畑アートを発想することができ、そのスケールの大きさは、他の地域にはない観光資源として高い価値をもちます。こうした地域資源の把握ができないと、無い物ねだりをしたり、ブームに乗っただけの町おこしなどをしてしまいがちです。こうした自己認識力を磨くためには、コンサルタントなど第三者の目を利用することも有効であろうと思います。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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