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全国紙3紙横断連載企画第3回「〝個の力〞を引き出し次代を切り拓く」

 Meiji.net編集部

読売新聞(全国版朝刊)2013年7月27日(土)掲載

全国紙3紙横断連載企画第3回「〝個の力〞を引き出し次代を切り拓く」

明治大学の10年後のあるべき姿を記した長期ビジョン。そこには、長期ビジョンを具体化するための施策も明確に提示されている。連載最終回の今回は、「国際連携」と「社会連携」をテーマに、その考え方と具体的な活動についてご紹介する。
「個」を強め、社会と世界をリードする人材育成の拠点となるべく、明治大学が取り組む施策から浮かび上がるのは、まったく新しい、次代の大学像ともいえるものだ。

国際連携:困難な局面も自らの力で切り拓くことのできる人材

副学長(国際交流担当)勝 悦子副学長(国際交流担当)勝 悦子 今、明治大学のグローバル人材の育成は加速している。2009年、文部科学省の事業グローバル30に採択されたことを契機に、留学生数と海外のネットワーク大学は飛躍的に増加した。昨年は、グローバル人材育成推進事業、世界展開力強化事業、大学間連携共同教育推進事業に採択され、現在、明治大学は国際的な教育・研究の拠点として、さまざまな国際連携事業を展開している。
 「グローバル人材の必要性が叫ばれている中、明治大学は教育・研究の国際化を進めてきました。真のグローバル人材育成に向け、教員はもちろんステークホルダーを含め、大学全体で共通認識を持ち、取り組んでいるのです」と語るのは、国際交流を担当する勝悦子副学長だ。「真のグローバル人材とは、タフな精神力を持ち、英語力、交渉力、異文化理解力、国際教養などを併せ持った人材を意味します。つまり、困難な局面でも自らの力で切り拓くことのできる人材です」。
 こうした〝個の力〟を育むために、留学をはじめ、数々のプログラムを用意しており、海外インターンシップ、国連ユースボランティアの単位化も整備していく。「学生たちがいかに主体的に学ぶことができるか。教員たちも常に講義のあり方を模索し、学生たちが自ら学び考える動機付けにしたいと取り組んでいます」。
 こうしたプログラムやカリキュラムの開拓は、高校生たちにも情報として伝わり、グローバル化に敏感な学生の入学にも影響している。

国際連携:海外でのプログラムを通じ生き抜く力を身につける

明治大学長期ビジョン概念図 今年、タイ・バンコクに明治大学アセアンセンターを開設した。アセアン7カ国16のトップスクールとの交流の拠点でもある。学生は、異文化の中でコミュニケーション能力を磨き、チャレンジを続けているのだ。「視野を広げ、柔軟性を身につける機会です。同時に、海外では自分で決めて、行動することが求められます。まさに個を強くする環境の中で、大きく成長することができるのです」。語学力はもちろん、海外に人的なネットワークをつくり、コミュニティのさまざまな価値観を理解し、自らを主張する。一方で、自分とは何か、日本とは何か、を考えることにもつながる。まさに、アイデンティティの確立にも結びついていく。
 明治大学には世界で活躍するための国際プログラムが特に専門領域で数多く用意されている。そうした機会を活用し、学生たちはグローバル時代を生き抜くための力を身につけていくのだ。
 また、留学生の受け入れも積極的に行っており、世界40カ国から約1600名の学生たちがキャンパスを行き交う。ゼミの中に留学生がいることも珍しいことではなく、キャンパスのグローバル化は、日本の学生たちの刺激にもつながっている。「日本の大学は大きな変革期にあります。グローバル化は、大学の未来を拓く最大のテーマなのです」。世界に開かれた大学として、明治大学の挑戦はこれからも続いていく。

社会連携:フィールドに出ることは学生の意識向上につながる

副学長(社会連携担当) 藤江 昌嗣副学長(社会連携担当) 藤江 昌嗣 「教育・研究、そして大学における第3の柱として、社会連携を位置づけています」と、語るのは、社会連携機構長でもある藤江昌嗣副学長だ。現在、明治大学において、社会連携のさまざまな取り組みが行われている。数々の社会連携事業を推進するために、2010年、新たに活動の核となる社会連携機構を立ち上げ、〝地域連携推進センター〟を設置、同時に〝リバティアカデミー〟を再編した。「人材育成、知の創造、さらに社会への還元こそが大学のあるべき姿と捉え、新体制をスタートさせました」。
 地域連携推進センターでは、5つのカテゴリーを設け、事業を展開。地域社会や産業、行政などとの連携により、地域の課題解決やニーズに応えるためだ。その一つが、〝明治大学創立者出身地との連携〟だ。岸本辰雄の鳥取県、宮城浩蔵の山形県天童市、そして矢代操の福井県鯖江市。各自治体と連携協力協定を締結し、地域の活性化や交流を図っている。「学生たちを地域に派遣して市民との対話(熟議)を行うなど、現地での経験を通じて、学生の意欲を引っ張り出したい。百聞は一見にしかずで、彼らはチームでフィールドに出ることで、個人では見えなかったものが見えてくる。地域独自の課題に直面することが問題意識を芽生えさせ、さらに原因と解決策を持つことへと発展していくのです」。地域とつながり、地域を結ぶことで、個の中につなぐ能力が醸成されていく。それは人材育成に大きな効果があると藤江副学長は話す。

社会連携:地域の問題にコミットすることが貴重な経験となる

 生涯学習の拠点であるリバティアカデミーの出発点は、1997年にスタートした成田社会人大学だ。講義が行われる教室は、老若男女を問わず、毎回地域の人々の熱気に包まれたという。その後、生涯教育は大きく発展する。昨年は約350の講座が開かれ、約18000人が受講したほどだ。
 「例えば、昼間は資格取得を目指す皆さんが学び、夜間はビジネスマンの方々がスキルを磨く。教員は向学心にあふれた皆さんの知的欲求に応えるべく、真摯に取り組んでいます。明治大学の知の資産を活用して、社会のニーズに応えることは、私たちの大きな使命なのです」。
 明治大学では、中野キャンパスの誕生によって、4つのキャンパス体制が整った。社会連携への取り組みにも、それぞれのキャンパスの独自性が活かされている。例えば和泉キャンパスの図書館は地域の人々に開放され、知の拠点として機能している。駿河台キャンパスでは夜間人口の減少という課題を受け、〝明大町づくり道場〟で活性化に取り組んでいる。「どんなプロジェクトにも、学生たちをコミットさせることが重要です。彼らはその経験から、書籍や座学からは学び取ることのできいものを吸収します」。
 明治大学の地域連携は、地域貢献につながり、同時に学生が個の力を養う絶好の機会となっているのだ。

世界の明治大学へ:伝統を継承しながら次代を展望する新しい明治大学へ

 〝国際人の育成と交流のための拠点 世界で活躍する強く輝く「個」を育てる教育研究の実現〟。
 これは2011年、創立130周年を機に策定した長期ビジョンの中で、10年後の明治大学のあるべき姿として掲げたスローガンだ。この長期ビジョンをベースに、3回にわたって、明治大学の現在、そして未来を展望する連載を行ってきた。
 日本の大学のおかれた状況は、大学設置基準大綱化以降、規制緩和や国公立大学の法人化に伴う競争原理の導入、18歳人口の減少、グローバル化の加速などにより、厳しさが増すばかりだ。そうした環境の中で、4年連続、一般入試志願者数が日本一という明治大学においても「オール明治」で危機感を共有し、実に多彩な取り組みを行っていた。長期ビジョンは、3回の連載からもわかるように、新しい大学像を鮮明に打ち出している。次代を担い、築く若者たちの育成に、真摯な目を向けている。建学の精神をベースに、新しい価値観の創造へ果敢に挑んだ。それはさらなる大学の発展を希求し、学生の未来への可能性を最大限に広げるための改革でもある。

TOPICS1:日本の大学として初めての試み。パリで留学フェア開催!(国際連携)

国際連携 11月17日、フランスのパリで、日本の大学としては初の試みとなる留学フェアを開催します。パリ市内の高校生や大学生を対象とした留学相談会。パリの若者たちはマンガやアニメなどのカルチャーを通じ、日本への関心も高いといわれています。明治大学は「日仏共同博士課程コンソーシアム」の議長校を務めていたことからフランス人研究者や学生の交流も盛ん。また、若き創立者が留学を経験しているなど、深い関わりがある国です。その成果が今から大いに期待されています。

TOPICS2:学生たちが地域の活性化に参加。「明大町づくり道場」(社会連携)

町づくり道場 ”町づくり道場”は、明治大学卒業生でもある音楽家・宇崎竜童氏の「音楽で町を元気にする」という想いを具現化する事業。宇崎氏に共感した学生約40名が、駿河台キャンパスのある千代田区の御茶ノ水・神田・神保町界隈のアート、本、スポーツ、楽器のイベントなど、地域活性化のため精力的に活動しています。毎年10月には駿河台キャンパスアカデミーコモンで、宇崎氏が総合プロデュースし、一流のアーティストが集まる「お茶の水J A Z Z 祭」を開催。学生たちはその実行委員としても活躍しています。

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