2024.03.14
- 2017年12月16日
- 特集
新聞広告連動企画「明治大学のロゴマークが、ハートマークに見えたなら…」
Meiji.net編集部大学のロゴマークが、鏡の中でハートに見える!?
直接見ると明治大学ロゴマークですが、鏡の中では二つのハートの姿になります。これは、鏡に映すと姿が変わる新しい不可能立体「変身立体」の一例です。
鏡に映しただけでものの本当の形が変わるはずはありませんから、変身立体は目の錯覚が起こす現象です。錯覚の仕組みを数学で解き明かす計算錯覚学の研究の中で発見しました。私たちは当たり前のように目を使って生活していますが、変身立体を体験すると「見る」ことが危うい作業であることを思い知らされます。
この変身立体の本当の形は「動画」で確認することができます。
「変身立体」体験動画
目の前の常識が覆る!? 計算錯覚学の世界
めいじろうのダイエット 今回の図形を制作した、明治大学 先端数理科学インスティテュート所長 杉原 厚吉 特任教授は数学を使って目の錯覚の仕組みを調べる研究を行っています。
上面にめいじろうのイラストが描かれた2つの箱があります。左の箱に描かれためいじろうは、右の箱に描かれためいじろうよりやせて見えます。しかし、この二つのめいじろうは、2次元図形として全く同じもので、重ねるとぴったり合います。
実は、めいじろうだけでなく、二つの箱の上面の平行四辺形自身も、2次元図形として全く同じもので、重ねるとぴったり合います。同じものなのに違って見えるのは、これらの図形が厚みのある箱の上面として描かれているために、私たちの脳が奥行方向の大きさを補正して解釈するためです。この現象は、シェパード錯視と呼ばれています。
「めいじろうのダイエット」印刷用データは >>こちらから ダウンロードできます。ダウンロードしたら紙に印刷し、めいじろうが載っている上面(上記画面の白地になっている四角部分)を切り抜いてみてください。不思議なことに、重ねるとぴったり同じになります。ぜひ一度お試しください。
このような錯覚は、平面だけでなく、立体でも数学の力を使い、表現することが可能です。杉原研究室では、「不可能モーション立体」の研究、制作も行っています。立体自体はありふれた形ですが、そこに動きを加えるとありえないことが起こっているという印象を作り出す立体が「不可能モーション立体」です。棒がありえない向きに窓や隙間を貫通したり、玉がありえない方向へ転がっていったりします。
Meiji.netでは、以前にも計算錯覚学を取り上げ、杉原先生にインタビューを行っています。
驚きや面白さのインパクトから取り上げられることの多い錯覚の世界ですが、実は社会の様々なシーンで数多く活用されているんです。「数学」や「研究」というと、言葉のイメージから難しく捉えがちですが、普段の私たち生活とも関わりが深いと知ると、少し身近な存在に感じることができませんか?
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。